結婚したいけどしたくない、三十代女子の複雑な心境
二十代の頃は結婚なんてしたくない。
自由に生きて、自分の趣味を楽しんで、人に縛られない生活の方が人生楽しいんだと本気で思っていた。
地方の工場勤務のお給料は、手取りで二十万も貰えなかったが、実家に寄生し生活費も入れなかったら自由になるお金は多い。
お給料の大半を好きに使っていた。
好きなアーティストのライブ遠征、一席三万のプレミアムチケット、外食だってし放題。
私みたいな一人を満喫する層をターゲットにした企業の戦略も大いに貢献してくれた。
ストレス解消にヒトカラに行くのも大好きだった。
でも人間、好き勝手に生きるには「独り」だととうに飽きてくる。
二十代の後半でようやく「婚活」するかーと重い腰を上げた。
最初に行った婚活はもう覚えていないけど、政府の支援もあってか女子は500円、お土産付き!なんてうたい文句の婚活パーティーがそこら中に溢れており、毎週のように開催されていた記憶がる。
その中でも某お菓子屋さんの有名なお菓子が持ち帰れるパーティがお気に入りで。
完全にそのお土産を狙いにパーティーに参加していた。
その頃は結婚したくてパーティに参加していたのではない。
500円払えば2000円相当のお菓子が貰えて、さらに「人気」な女子は次からのパーティーが無料になる魔法のチケットが貰えたので、ただでお菓子をもらえる素晴らしい錬金術の会場だ、とすら思っていた。
男性の視点で考えると、結婚を真剣に考えて、高いお金を払って参加している人からしたら、参加してほしくない代表の女子である。
でも今から考えると「お菓子目当て」なんていいつつ、それでもいい人がいれば付き合いたいと考えていた甘い考えの女が良縁を結べるわけもなく、「顔がいい」「高身長」で「高年収」の男子からは全く相手にされていなかった。
所詮その程度の女だったのだ。
ちなみに、男性の中にも全くやる気のない人はいて、高年収、さわやか系男子と人気のある男性とマッチしたことがあるが、どうやら相手は「捨て」の選択で選んだ私となぜかマッチしてしまい「え??嘘?」と思い切り狼狽を表に出されたこともあった。
その男性とはその後半年くらい週一で食事しに行くことになるのだが、それはまた別の話にしておく。
パーティの形式はたいていの場合、男性が席を移動して全員と軽く話す「回転ずし」方式であった。
目の前に来た男性とやり取りし、人見知りながら相手のプロフィールを見て話題を探し、話を途切れさせないよう必死に頑張った。
それが数分ごとに繰り返され、6~13人程(パーティーの規模により異なる)相手に話続けても、正直誰が自分のパートナーとして好ましいかなどさっぱり分からなかった。
これは、人それぞれ性格によるものだと思うが、コミュ障な私にとっては楽しさのない苦痛な時間でしかなかった。
自分から離れて次の女性のところに行った隣の席から、楽しそうな笑い声が聞こえるだけで「私より楽しそうにしている・・・」なんて落ち込んだりする。
人と比べてしか自分の存在価値を確認できない女にとっては、「自分の意志で気に入った男性を選ぶ」という行為が難しかったのである。
そんな私でも何とかお互い気に入ってマッチングすることができ、デートする仲になる男性が現れるのだが結局婚活パーティーで知り合った男性とは結婚することができなかった。
その理由を別の記事で考察していこうと思う。